幼少期に大人の階段として“パンパンなお財布”に憧れを持っていた。
お札や小銭やポイントカードの束。パンパンなお財布が”充実している生活”を連想させたのか?なんだか「出来る人」なイメージなんですかね。
小学校の裁縫の授業でフェルトを使ってお財布を作る授業があり、とてもエキサイティングして作ったのを覚えております。結局半年くらいで仕様が現実的でなかったので使わなくなったが、「良い物を作ろう」とあれこれ考えて作っていたのが今の職にもつながっているのかな?と懐かしくなります。
スマートフォンの普及によりポイントカードはアプリへ。支払いだってカード情報がスマートフォンに入っているから、実質「お財布は要らないのでは?」と思うほどに。
しかし、hirari のmini walletは完成度と価格が全くと言って良いほど釣り合ってない。革のレベルから見ても本当に安く感じてしまう。
これは「安いから買う」のではなくて、「物が良いから買う」と思って欲しいと切に願うレベルなのです。
大きさも手のひらに収まって、メンズがパンツの後ろポケットに入れても邪魔にならず、なんならスーツの胸ポケットに入れたって“程よいパット”である。
まずは色味から見ていきましょう。
こちらは染色をしていないナチュラルな色味。
購入してすぐは肌色感が強く、何にでもなれる色。
まずは日焼けさせるそうで、手元に届いて使いたい気持ちを何とかして押し殺すことから始まります。
理想は丸一日太陽が当たるところに置いて満遍なく陽を浴びさせます。表面と内側をこんがりと。
すると少しキャメル色になるので、あとは生活しながら皮脂を馴染ませていくイメージです。
二年使ったのがこちら
オフィシャルではカードは4枚ほどが理想。こちらは夢の“パンパンなお財布”。
hirariは桐生にあるアトリエで一個一個手で裁断し、縫製されているのだから愛情は言うまでもない。
デザイナーの平井氏は温厚でありながら、物作りへの愚直な姿勢があります。元々はクラフトな雰囲気が強い物作りだったそうですが、ひたすら向き合ってこのミニマルな領域へ辿り着いたそうな。
全てのインデペンデントなデザイナーや、クラフトマンは生半可な気持ちでプロダクトを作っているわけではなく、「全て」をかけて「最高だと」自負しながら、お客様の生活に土足で入り込むような危ない責任感を抱えて仕事をしていると思う。だから私たちは「〇〇ファースト」はなく、商品もお客様も同様に接します。
届けmini wallet!
悲しい事に最後の一個です。。。
BGM ; the man -the killers-